太鼓LOVERたちの舞 30周年記念公演~歌子日記~

 蝿を追うように手元を見なさいよ。巨匠はそう言った。丁寧に自分の指先を目で追い 手本をも見せてくれた。

 散々 前を向け❕と言われていた私は

 

 『前を向かなくていいんですね‼️』

 

 と 元気良く放った。

 

 そういうことではないんだよ……

 

そんな目をして巨匠は面倒くさそうに足を組んだ。

 

 『言った通りにやればいいんだよ❗』 


 語気強めに言われた私は産みの苦しみを味わうこととなった。そんな53歳の物語である。

 

 幸手和太鼓保存会は今年で30周年を迎え 関係者様方々 一般のお客様を前に舞台を披露する。した。

 

   集まらない。

 

そんな状態から始まった舞台への道。

 

 忙しいし〰️用事あるし〰️人とのお付き合いも大事だし〰️イロイロあるもんね わかるよ。

 

 本当にまとまるのか?舞台は実現するのか?これでいいのか?そんな気持ちのまま月日は流れた。

 

 さて キャスト決め。

 

子供の頃から稽古を続けているメンバーたち。練習を積むと途端に一皮剥け上手にこなす。フムフム。

 

 でも やっぱり 人がいないね……なんとなく寂しさを感じながら幸手鼓たち(小学生~中学生までの子たち)の基礎打ちに参加する。

 

 『U子さん  鐘やってみません?』

 

 N会長はいつも斬新だ。御年53歳のおばさんは ふざけて笑い 軽く頷いた。

 

 一体 あの人たち何なの?

 

 アンケートにあった一節。これに全て込められている。お祭りの太鼓や盆太鼓をイメージして来られたお客様だろう。

 

 朝早くから仕事に従じているメンバー 下は小学生から大学生までのメンバー みんな 稽古以外は普通に日常を送っている。

 朝早くから ジョギングなどは間違ってもしていない。

 

 ただ 持っているもの  それは

 

 溢れるほどの集中力。決まると速い。SNSの力もある。情報の共有。まったく スマートなんだな……

 

 打ち方 身の振り方 踊りなど巨匠にひとつひとつチェックを入れてもらい あっという間に本番。

 

 あくまでも若者たちで進める記念公演。

 

 怒涛の始まりだ。

 

 季節は夏。しかも長い夏。バテバテなのも頷ける。2023年9月16日17日の2日間公演。 熱を出す者 腰を痛める者 熱中症で倒れる者。

 それでも本番はやって来て幕は上がるのだ。

 

 あの ビ〰️という音。  ざわめく観客席。 からの静寂。

 さぁ 太鼓LOVERたち出陣です❕『風馬』の締め太鼓が鳴り響き気持ちが引き締まります。

 

 全 15曲を2日間 無事に終え 1枚1枚重ねてきた練習に思いを馳せる。 巨匠は言った。

 

 『ほんの少しの気になること 本当に小さなことでも確認しておくこと』

 

 これが甦る。日常でも使える 当たり前のようで なかなか出来ていないこと。刺さるなぁ✨

 

 文章中盤で出た鐘🔔ですが 鉄筒なるもののこと。『巴』という演目の一部分だ。

 私の小さな鐘問題は もう いいっしょ❗と感無量ながらに思うのですが これまた凄いのよ。言われた通りに練習をすると 正確に腕や手首が動き出す。結果 体得することが出来たのでした。 

 

 やっぱり巨匠は何でもお見通し。そして今までやってきた練習を信じて本番は楽しんでやること。

 この本番当日の巨匠からの言葉に士気がより一層 上がったのでした。

 

 それにしても 無からモノを作りあげていくっていいな✨と心から思う。一緒にやってみませんか?

 

   いつでも仲間 募集中です❕

 

 皆様 ありがとうございました✨